Gibson Assembly

Gibson Assemblyは、断片化したDNA分子をオーバーラップ配列を利用して1本の分子に継ぎ合わせるための、汎用性の高いクローニング手法です。従来の制限酵素を用いたクローニングに比べ、より自由度の高い配列設計や、多断片の同時連結などを効率的に行えるというメリットがあります。今回はこれを紹介していきます。

簡単な原理

Gibson Assemblyでは、3種類の酵素を使用します。エキソヌクレアーゼ、ポリメラーゼ、リガーゼです。

流れとしては、エキソヌクレアーゼにより露出した相補配列がそれぞれの断片同士でハイブリダイゼーションする。その後ポリメラーゼがギャップを埋め、リガーゼによりニックを埋めます。

Primer Design

Gibson Assemblyでは、15-20bpほどの共通配列が必要です。なので、プライマー設計は、共通配列+アニーリング部位で設計すれば大丈夫です。

Method

1.PCRチューブに反応溶液を調整する

Reagent 容量 最終濃度
Fragment 1(insert DNA) 比率5 -
Fragment 2(vector DNA) 比率1 -
2x Gibson Assembly Mix - 1x
DDW(H₂O) Up to 10 µL -

※insert DNAの量が多い方が形質転換したときの空ベクターの率が少なくなるのでおすすめです。

2.50℃で30minインキュベートする。

基本的にはこれだけで大丈夫です。あとはGibson Assembly産物が環状であればこれをテンプレートに形質転換するだけなので楽ちんです。

ちょっとしたコツ

複数断片を結合するとき

Gibson Assemblyは2断片以上結合できますが、5-6断片結合することもできます。このような多断片連結の際にはインキュベートの時間を長くしてみてください。それと、各断片の分子数をそろえておくことも大事です(これがバラバラだとちゃんとアッセンブルされないことが多いです)。

産物が環状になるときに使うといい

Gibson Assemblyはのりしろの部分にエラーが入りやすいです。なので、単に断片連結したい場合には、Overlap Extension PCRをお勧めします。

作成日:12/25